「働く」から、同心円状に広がる幸せ
「働く」とは、なんだろうか。
物理的なことで言えば、
人は人生の多くを仕事に費やす。
一般的なサラリーマンだったら、
少なくとも起きてる時間の半分くらいは
仕事をしている。
そう考えると、「働く」について考えることは、
「生きる」を考えることに
つながるんじゃないか、と思う。
僕は10年間、
広告業界でサラリーマンをしていた。
仕事自体は、わりと楽しかった。
良き仲間にも恵まれていた。
ただ、わりと、
プライベートを犠牲にして働いたように思う。
例えば、好きな小説を読んだり、
良質な音楽や映画に触れること、
美味しいごはんを食べること、
そういうことをわりと、蔑ろにしがちだった。
その頃は、
久しぶりに、昔好きだった曲を聴いたりすると、
涙が出たりした。
久しぶりに、学生時代の友人と話したりすると、
自分の価値観の狭さに、
はっとさせられたりもした。
年数を重ねるにつれ、
「何かをすり減らすように働く」感覚が、
強くなっていった。
その「何か」は、
「生きる力」とか、
「本物を感じる力」 とか、
そういうものに近かったように思う。
そんな風にして作り手である自分が、
「すり減らして」作ったモノが、
いったいどこの誰を幸せにできるんだろう?
そんな疑問を抱えるようになった。
しばらくすると、 同じ疑問を抱いてるのは、
自分だけじゃないことにも気づいた。
べつに、「仕事に生きがいを見いだそう!」
みたいなことを言いたいわけじゃない。
「仕事=お金を稼ぐ手段」と割り切って、
プライベートに「生きる」を、
見いだす人がいたって、全然OK!
でも、プライベートで、
好きな小説を読んだり、
音楽を聴いたり、
映画を見たり、
美味しいものを食べたり、
気の合う仲間と飲み語らったり、
好きな人と、
時間を忘れるくらいおしゃべりしたり。
そんなふうにして、
湧き上がってくるわくわく感が、
アイディアを生み、
手掛ける商品やサービスを通じて、
お客さんの心をあったかくすることができたら。
そして、そのお客さんが、
「ありがとう」って、
あったかい心を投げ返してくれたら。
すごく幸せなんじゃないかと思う。
そうやって受け取った
お客さんからの感謝のフィードバックが、
自分自身を幸せにし、
自分の家族や身近な人にも伝播していく。
そうしてプライベートがまた充実し、
良い仕事を生み出す。
そんな幸せのサイクルが、
くるくると同心円状に広がっていくといいな、
と思うわけです。
ま、理想論ですけど。
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